素材ダウンロード
キンカン 金柑 きんかん たまたま
みかんが小さくなったような外観で、皮ごと食べることができる場合もあり、実に不思議なくだもの。
科:ミカン科 Rutaceae
属:ミカン属 Citrus
種:キンカン C. japonica
ミカン科ミカン属となっていますが、異論もあったようです。
【 来歴 】
キンカンは、中国長江の中流域が原産とされます。
暖かい地域で栽培されています。
黄金色の柑橘=「金柑」 から、日本では、この読み仮名どおりの名前で呼ばれるようになりました。
日本には、江戸末期の1828年、中国の商船が修理のため静岡・清水港に寄港した際、もらった砂糖漬けのキンカンの種を植えたのが最初といわれます。
キンカンには6種あるとされます。
・ニンポウキンカン(寧波キンカンとも)
・ナガキンカン
・マルキンカン
・ナガバキンカン
・チョウジュキンカン
・マメキンカン
日本での栽培種は、「ニンポウキンカン」および、その派生品種です。
日本の標準和名は「キンカン」。
そのまま生食したり、砂糖漬け、はちみつ漬け、甘露煮、ドライフルーツ等の用途で、店頭でも根強い人気のある商品です。
キンカンは、不思議と良く売れる商品で、栽培も年々面積が増えているようです。
口に「ポイッ」と放り込んで、皮ごと楽しめる気軽さが、人気の秘密なのでしょう。
近年は、種無し(無核)の新品種も出ています。
主な栽培県は、①宮崎県 ②鹿児島県 で、この2県で、国内キンカンの9割を生産しています。
宮崎県は、国内キンカンの6割を栽培する大産地で、南那珂(みなみなか)に集中しています。
現在の日南市や串間市のあたりで、鹿児島県に接した、南部の地域です。

【 「たまたま」 の情報 】
きんかん「たまたま」は、市場でも見つけやすいキンカンであるとともに、生食用のメジャーなブランドと言えます。種ありです。皮ごと食べることができる事から人気です。
品種登録されたものでは、ありません。選抜品をブランド化したものです。
先述した「寧波(ニンポウ)キンカン」で、ハウス栽培されたもの、かつ、糖度が一定以上のものに対して、「たまたま」の名がつけられています。

宮崎県農業協同組合HPに解説があります。
https://www.kei.mz-ja.or.jp/mhyakka/1521/
型は、「露地」「温室」「完熟」の3区分に分けられています。
「完熟」は、開花結実後210日を目標に樹上完熟させ、糖度16度以上かつ直径28mm以上のものを、皮のまま食べることができる「たまたま」として出荷しています。
その中でも糖度18度以上、直径32mm以上の大玉で、かつA品のみを選び出したものを「たまたまエクセレント」として出荷しています。202602時点。
商標登録について。
「たまたま」で商標登録されていますので、転載します。
登録番号:第5259864号
登録日:平成21(2009)年 8月 28日
商標(検索用):たまたま
権利者 氏名又は名称 :宮崎県農業協同組合
役務範囲:野菜,果実,種子類,木,草,苗,苗木
上述のように、商標権を、集荷者であるJAが持っていて、出荷日をコントロールしています。
「たまたま」の例年の出荷解禁日は1月上旬のようです。
なお、「たまたまきんかん」は、冨士屋製菓(鹿児島県曽於郡大崎町)が先んじて登録(平成17(2005)年 12月 22日)しており、宮崎県農業協同組合は、「たまたま」のみの登録になっています。
冨士屋製菓さんは、飴などの製菓業を営んでいます。
【 新品種情報 】
在来種の品質維持では、ブランド価値が劣化すると考えるのは至極当然の流れです。
その後、いくつかの新品種が生まれています。
食べやすい種無もあります。一部を抜粋。
「宮崎夢丸」
種無しで、高糖度。ハウスだけでなく露地もあり。 2010/11/15品種登録。本命か。
育成論文 農研機構
https://www.naro.go.jp/laboratory/karc/prefectural_results/kajyu/040310.html
「宮崎王丸」
大玉で、酸味が少ない。「ニンポウキンカン」の珠心胚実生品種。2011/07/11品種登録。
「ぷちまる」
「長実キンカン」に「4倍体ニンポウキンカン」を交配して育成。甘味が強く無核。
育成論文 農研機構
https://www.naro.go.jp/publicity_report/publication/archive/files/naro-se/fruit2_02.pdf
ほか、個人育種で品種登録されているものに、「ゆみちゃんのほっぺ」「勇紅(ゆうべに)」「紅央(べにおう)」といったものが品種登録されています。見かけることは少なそうです。
【 食べた印象 】
きんかん「たまたま」の名で出ている、宮崎県産のものです。
かわいい外観。ミカンの仲間とは思えません。
酸味はさほど強くは感じません。
柑橘らしい、ほのかな香り。
甘さという点では、糖度計ほどのものは感じませんが、皮も含め、丸ごと食べられる食体験というのは面白みもあって、常識破りの柑橘。
種の数は、個体によりますが、1個につき2~5粒といった感じでしょうか。
種がある事自体には、さほどネガティブな要素は感じず、むしろ楽しい作業と捉えることができます。
味はのっぺりした感じでパンチはありません。でも、ついつい食べてしまう、クセになる楽しいカンキツです。






